卵殻パウダーで環境にやさしいプランターを作れないか考えてみる

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【テーマ】卵殻パウダーで環境にやさしいプランターを作れるか?

家で大量に出る卵の殻を、何とか有効活用できないだろうか?

それにはまとまった量を消費できる方法でなければならないし、購入するよりも安価で、環境にやさしいものでありたい。

そこで、卵殻パウダーでプランターを作れないか?と考えた。

 

必要な機能

卵殻パウダー同士をひっつけるための樹脂が必要だ。

 

樹脂には天然樹脂と合成樹脂がある。

天然樹脂(natural resin)は、植物や動物から採れる樹脂。対して合成樹脂は石油から作られる樹脂。ボンドやシリコンに使われるのはいずれも合成樹脂。

 

だから、天然樹脂で作る。

植物由来・・・松脂(マツヤニ)、漆、寒天(藻)琥珀、天然ゴム、乳香など

動物由来・・・膠(ゼラチン)、べっ甲、カゼイン、卵白など

鉱物由来・・・アスファルト、タールなど

(赤色…人体や環境に害が少ないもので、使いやすい可能性がある)

 

ヒント

記事によると、砂を中心とした材料にシアノバクテリア(ラン藻細菌)と呼ぶ水生微生物を加えると、コンクリートのような硬さになるとのこと。

 

このバクテリアは植物と同様に光合成を行い、炭酸カルシウムを生成する。この仕組みを使う。バクテリアを砂、少量のゼラチン、水、栄養素と混ぜ合わせ、37℃程度の環境下で増殖させる。砂とゼラチンの中でシアノバクテリア光合成により炭酸カルシウムを生成。炭酸カルシウムがゼラチンと反応し硬化する働きがあるらしい。バイオミネラリゼーション(生体鉱物形成作用)と呼ばれる反応で、生物が真珠や貝殻といった硬い組織を作り出す働きと同じだそうだ。

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乾燥して水分が飛ぶとさらに硬化が進み、モルタルと同程度の強度になるそうだ。

砂を卵殻パウダーに変えて試してみる価値はありそうだ。 

 

方法

材料はどうしようか?

膠の純度を高めたものがゼラチン。つまりゼラチンより膠の方が安価なので、膠が有力候補だ。

 

日本画の絵の具は、溶かした膠に岩絵の具(粉)を混ぜて作り、紙に定着させる。

宮大工の木と木を接着するのにもつかわれる。かなりの強度っぽい。

 

雑学

主に牛の皮から作られる「にかわ」は短時間で接着でき、木材に良くなじむ。熱を加えると容易にはがせるので、修理・製作上都合がいい。

「水」と「にかわ」を1対1に混ぜ、湯煎または電子レンジで60度程度の熱を加えて溶かす。硬化時間を長くしたい場合は「酢」を、防虫・防腐効果を高めたい場合は「塩」を少量れるが、どちらも入れ過ぎると接着力が落ちる。(結論:入れない) 

 

融点は60℃だから、真夏の炎天下の外でもよさそう。

膠は固まった後に、また温め直すと液状になるので、何度も使い回せるのもいい。

単体としての強度は十分。そこへきて炭酸カルシウムとどう反応して強度を増すのか?

この方法で本当に強度は増すのか?

実験では家にあるゼラチンで試してみようと思う。

 

余談だが、膠は「煮皮」と書いたそうで、鹿などの動物の皮を煮た液を固めるのだそうだ。いつか作ってみたいものだ。

 

その他の方法 

その他に候補となる樹脂は、寒天カゼイン

 

■ 寒天の可能性

国内ベンチャー「AMAM」。問い合わせ中。

 

石灰石でプラスチックを作る

LIMEX社の特許技術を見つけた。

 

6割が石灰石、4割が石油由来のポリオレフィン樹脂ということだけど、ポリオレフィンは環境にやさしいと言われているから可能性はあるかな。

ポリオレフィンは、内部に炭化水素の2重結合を持った樹脂の総称です。
燃やすと炭素と酸素が結合して二酸化炭素、水素と酸素が結合して水を発生するため、環境にやさしい材料といわれています。

世の中に最も出回っている樹脂材料で、さまざまな用途で使用されています。おそらく一日生活をして、ポリオレフィンを見ない日はないといっても過言ではありません。それくらい流通し、使用されています。

https://www.rextac-asia.com/column/products/polyolefin/

 

カゼイン(酪素)

カゼインって何?

Wikipediaより要約

・牛乳やチーズなどに含まれるリンタンパクの一種。牛乳に含まれる乳タンパク質の約80%を占めており、これを原料としてカゼインプラスチックが作られる。

・牛乳パックの成分に書かれた「乳固形分」の主要成分の一つ。

・牛乳中ではカルシウムと結合してカルシウム塩の形で存在し、カルシウムの安定な運び屋として機能する。

 

カゼインプラスチックとしての利用

牛乳に酸を加えるとカゼインが沈澱して象牙に似た外観の熱可塑性のプラスチックとなる。印章、ボタンの材料として工業的に利用されている。


接着剤としての利用

初期の集成材は、接着剤にカゼインを利用していた。物資不足だった日本軍は、四式戦闘機を木製化したキ106の接着剤として使用した。 

 

ということなので、可能性は多いにある。

カゼインは市販されており入手も可能。

 

牛乳からプラスチックを作る方法も紹介されていた。要は、カッテージチーズを作る時のレモン汁(酢)の量を増やすとプラスチックになるらしい。土に埋めておくとボロボロになって無くなる、微生物が分解してくれるところが、天然樹脂の良さだと思う。